久留米大学循環器病研究所

メンバーの問題発見・解決力を高め研究を進めるために、循研では全国的に見てもユニークなイベントを実施しています。それが循研ピアレビューです。

循研ピアレビューでは、その年に不採択だった科研費申請書1つを題材として、循研メンバー全員が力を合わせて申請書の強化に取り組みます。研究を始めて数年以内の若手メンバーのみで実施し、いわゆる指導者クラスの研究者は関与しません。 ピアレビューは「同僚による評価」を意味します。「評価」というと、学校での試験のように「正しい答え」があると考えがちですが、研究を含む現実の問題では「正しい答え」はありません。解決できないことについて答えを知っている人はいないからです。循研ピアレビューは、このような状況で「正しい答え」ではなく「妥当な解決方法」を見つけるトレーニングです。

循研ピアレビューのスタイルは、数年かけて循研メンバーが作り上げてきたもので、結果的には論文や研究計画書の作成過程をたどるものになりました。循研ピアレビューを始めてから循研の科研費採択率が着実に向上していることが、循研メンバーの成長を物語っています。ただ1人のために全メンバーが力を尽くして科研費の採択を目指し、研究経験がほとんどないにも関わらず申請書の問題点と解決方法を見つけ出していく様子は、ちょっとした奇跡を見るようです。循研ピアレビューは、研究生活から生み出されるお互いの信頼を基盤として、仲間とともに1つの問題に向き合う真剣勝負です。循研メンバーは、循研ピアレビューを通じて仲間とともに問題を解決する力を身につけていきます。