社会への貢献
循研の使命の1つは、学術活動を通じて社会に貢献することです。社会に直接貢献する活動として、循研では対象が異なる2つのイベントを開催しています。1つは一般市民を対象とした循研市民公開講座、もう1つは高校生を対象とした「ひらめき☆ときめきサイエンス」です。
循研市民公開講座
循研市民公開講座は、一般市民の方に役に立つ医学・医療の知識を伝えることを主旨としていて、木村記念循環器財団との共催で毎年1回実施しています。木村記念循環器財団は、久留米大学医学部第3内科(現在の心臓・血管内科の前身)初代教授である故木村登氏の退職金を基金として設立され、循環器病を制圧し国民の保健の向上並びに健康管理に寄与することを目的とした公益財団法人です。市民公開講座では毎年のテーマに沿った講演や循環器系の簡易検査の実施により、ご参加頂いた市民の皆さんの循環器病への興味を引出し知識を深めて頂くことを目指しています。
ひらめき☆ときめきサイエンス
ひらめき☆ときめきサイエンスは、科学研究費による研究成果に触れることで、小学生から高校生の皆さんに科学のおもしろさや研究の大事さを感じてもらう日本学術振興会の事業です。循研では近隣の高校と協力して研究体験プログラムを実施しています。そこでは幾つかの研究手法を体験してもらい、高校で習う物理や化学の延長上に研究があること、そして研究が将来の診断や治療に結びつくことを実感できることを目指しており、毎年好評を得ています。参加する生徒の皆さんの多くは、医学系のキャリアに興味を持っており、医師や研究者である循研若手メンバーと一日を過ごし様々な話題で話せることも好評な理由の1つです。こうしてキャリア意識を高めることも、この事業の意義の1つだと循研では考えています。
「象牙の塔」という言葉に象徴されるように、研究ではともすると自分の世界に閉じこもってしまいがちです。しかしそれでは視野が狭くなり研究のスケールも小さくなり、自己満足に終わる恐れがあります。循研が直接社会に貢献するイベントを開催するのは、一般市民や高校生の方々からの反応に触れることで循研メンバーの視野を拡げる意味もあります。