久留米大学循環器病研究所の新着情報

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「勉強」について(2016年5月19日)

このページを見ている皆さんは、勉強と言えばなにを思い浮かべるでしょうか。義務教育から大学に至るまで、ほとんどの勉強は知識の量を増やすことに重点が置かれています。試験でも知識を問う問題が大半を占めます。本来は論理を組み立てることが中心である数学でも、解法をどれだけ知っているかで試験の成績が決まるのが現実と思います。情報、学問、産業が細分化され知っているべき知識が膨大になった現代では、「勉強=知識を蓄えること」になってしまったのは、ある意味必然でしょう。

しかし、いくら蓄えても使えない知識は試験で良い点を取る以外には役に立たないと私は思います。持つべき知識が増えた現代では、「知識の使い方」も学ぶ必要があります。義務教育から大学までの教育では、時間の大半を知識の蓄積に使ってしまうため使い方を学ぶ時間は残されていません。そのため、「こんなに必死に勉強して何になるんだろう?」という疑問に対する答えを見つけられずに、勉強への意欲を失ってしまうことすら起こります。それでは本末転倒と言うものです。高度な知識を身につけた人がその知識を役立てるためには、その方法を学ぶ必要があり、そのための具体的な機会が必要です。循研は知識を役に立てる方法を学ぶ場です。