久留米大学循環器病研究所の雑感

雑感

この「雑感」のページには、研究活動で感じたことや、循研方針の背後にある考えを不定期に掲載します。記事内容は循環器病研究所の公式見解でなく、職務に基づく私個人の考えとお受け取りください。

久留米大学 循環器病研究所 青木浩樹

科研費の採択と不採択(2020.4.3)

文部科学省科学研究費の採択が4月1日に通知されました。
循研からは8つの課題が採択され、採択率は61.5%でした。
採択者については、久留米大学心臓・血管内科ホームページをご覧ください。

採択された皆さん、おめでとうございます。その努力と力量に敬意を表します。

不採択だった皆さん、全力で取り組んだ挙句の不採択でがっかりしていると思います。しかし気落ちすることはありません。昨年の申請時期にはお互いに相談する姿をしばしば見かけましたし、循研ピアレビューでは皆さんの力が最高に発揮されました。そんな日々の活動が循研の高い採択率に結びついたのです。採択された課題には皆さんの力が間違いなく反映されています。

不採択は残念ですが、恥じることではありません。課題の本質的な価値や研究者個人が否定されたわけでもありません。そもそも、科研費や研究成果は個人が自慢したり、優劣を競ったりするためのものではないはずです。その価値は研究者個人を離れ、研究領域や社会全体に何を提供できるかで決まるものでしょう。

万一恥じることがあるとすれば、不採択だった仲間や自分自身を下に見たり、自らの考えに閉じこもったりすることだと私は思います。もし不採択課題に足りないものがあったとすれば、それは仲間を信じて力を借りることだったのかもしれません。今年は不採択でも、仲間と協力して研究課題の価値を今一度問い直し、より高い価値を目指して次の機会を狙えば良いのです。

循研の皆さん、自分が取り組む研究の価値を信じ、仲間と自分自身を信じて新たな発見に挑戦してください。そこで培われた力は、社会の問題に立ち向かう医師という職業の基礎体力となるでしょう。循研はそんな皆さんに活躍と成長の場を提供し続けます。

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