久留米大学循環器病研究所の新着情報

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教室初のロコモ検診を行いました!(2016年9月28日)

 2016%e5%b9%b4%e3%83%ad%e3%82%b3%e3%83%a2%e5%81%a5%e8%a8%ba_%e6%8a%9c%e7%b2%8b骨格筋の減少や筋力の低下(サルコペニア)、骨量減少による骨粗鬆症、関節軟骨性による変形性膝関節症は加齢とともに増加します。これらは日常運動機能の低下、転倒・骨折のリスク上昇をもたらし、将来の要支援・要介護率を増加させます。日本整形外科学会は世界に先駆け、この症候概念を「ロコモティブ・シンドローム」と提唱し、その啓蒙活動・早期発見・予防治療介入に取り組んでいます。

 心臓血管病の患者さんは症状の悪化や再入院を恐れ、無意識に活動性を低下させているかもしれません。その結果、健常人に比べて比較的早期にロコモティブ・シンドローム状態に陥っているかもしれないのです。心臓血管病患者さんの生命予後に腕や足の筋力、握力が関与しているとの報告も最近見受けられます。「ふくらはぎ」は「第2の心臓」とも言われています。その筋肉が衰えることは健康度低下につながると考えられます。

 今回私たちは、田主丸町柴刈区の住民の方々を対象に、本年7月から約2ヶ月間に渡って「ロコモティブ・シンドローム検診」を行いました。現在抱えておられる心臓血管病や高血圧、糖尿病、脂質異常症などについての情報収集、体組成測定検査、骨密度測定検査、各種運動機能・筋力検査、血液検査、認知症検査をすべて無料で行い、その結果をもとに幅広い生活指導を行いました。

 心臓血管病と運動機能障害の両面から同時に生活指導を行う健診事業は、我が国が今後迎える超高齢化社会への対策事業として必要かもしれません。