久留米大学循環器病研究所のサポート体制

サポート体制

研究が円滑に進むためには、先進的な研究方法、確かな技術、それらを支えるインフラが必要です。循研には、テクニシャン(事務・実験補助員)を中心とするサポートチームがいて、多様なバックグラウンドとキャリアプランを持つ循研メンバーが、不安なく研究を進めることができる体制を作っています。

サポートチームについて

循研メンバーのキャリアプランは様々です。メンバーは医師とは限りません。研究者を目指す人もいますし、臨床医を目指す人もいます。臨床医の中でも開業医、一般病院勤務、大学勤務など様々です。このようなメンバーはそれぞれ異なる視点を持っており、実施する研究プロジェクトも多様です。このような多様性は、循研の創造力の源泉です。この多様性を一貫して支えるために、循研には研究サポートチームがあり、循研テクニシャンがその要を担っています。

自分の手で実験した結果について考えることは、確かな事実に基づいた論理的思考をトレーニングする最高の方法です。誰かにやってもらった実験のデータは、いわば「人から聞いた話」であり、本当の意味で「確かな事実」とは言えない面があります。そして、実験結果が「確かな事実」であるためには、正しい方法と確かな技術が必要です。

プロジェクトはメンバーごとに多様で必要な技術も違うので、全員が同じ技術を習得するのは合理的ではありません。と言って、個人だけに任せていると、技術の修得に大変な苦労が必要です。また、あるメンバーがせっかく新しい実験方法を身につけても、そのメンバーがいなくなれば、その方法を使えなくなってしまいます。このような状況に対応するために、循研ではテクニシャン(補助員)が活躍しています。

名称こそ「補助員」ですが、循研テクニシャンの役割は単なる補助ではありません。テクニシャンはそれぞれ専門技術を持ち、循研メンバーの研究を強力にサポートします。西方さん(組織病理)、中尾さん、白水さん(分子生物学、生化学、細胞培養)、仲山さん(分析装置操作、臨床検体処理)、山本さん(動物実験モデル作成)、清弘さん(研究事務)が循研で行われている全ての研究業務をカバーします。佐々木健一郎講師と、これを書いている私(青木)もサポートチームの一員で、研究全般のサポートと研究所マネジメントを担当しています。

サポートチームの役割

1. 循研の実験クオリティを高く保つこと

研究プロジェクトの方針が決まり、方針に沿って必要な実験が決まる頃から循研メンバーはテクニシャンと行動を共にします。テクニシャンは必要な技術を熟知していて教えることにも慣れているので、循研メンバーは研究を進めながら必要な技術を短期間のうちに身につけることができます。また、新しく循研に導入された実験方法が多くのメンバーに役立つ場合は、循研テクニシャンがその方法を修得し、継続的に使える体制を作ります。

2. 循研メンバーと相談しながら実際にデータを出すこと

循研メンバーは、キャリアプランや臨床の要請により、研究途中でも臨床に比重を移さなければならないことがあります。臨床の合間を縫って実験するのが難しい場合、メンバーはテクニシャンと相談して、どんな実験をするかを決めます。テクニシャンはプロジェクトの方針を理解しており、高品質のデータを取ることができるので、その後は主に電話やメールによる連絡とデータのやり取りで研究を完成させることができます。

3. 循研全体のマネジメント

テクニシャンを中心とするサポートチームは、循研メンバーの動向、研究環境に常に気を配っています。研究上の問題や機器の不調について、急ぎの場合にはすぐに対処しますし、それほど急がない場合には週に1回のマネジメント会議で検討し、適切な対処法を決めます。循研テクニシャンは、技術サポートやマネジメントを通じて、循研の質を高く保つ要です。