循環器病研究所とは
所長からのメッセージ
久留米大学循環器病研究所は、1959年に設立された歴史ある研究所です。循環器系の内科・外科・小児科を志す研究者を育成し、医療機関の長、あるいは優秀な中堅として活躍する数多くの優秀な人材を世に輩出してきました。
医学研究は医学の発展になくてはならないものであることはもちろん、日常臨床も医学研究抜きでは成り立ちません。医学生あるいは初期・後期研修医の期間は、専ら受動的な教育が中心となりますが、その後の発展をめざすためには能動的に医学研究を行う必要があります。受け身の教育により獲得した一定レベルの知識、また、専門分野の深い理解をめざす専門医取得に加え、自ら考え幅広い医学知識を習得すること、また、医療人としての個々の質の向上が望まれるところです。
我々は、若き医師に医学研究を行ってもらうことを目的とし、わが国さらには世界の医学を支え、発展させる人材育成をめざします。皆様の医学研究にとってよりよい環境を整えて参ります。何卒よろしくお願い申し上げます。
福本義弘(循環器病研究所 所長)
循環器病研究所:今ないものを世の中に
– from bench to bedside to population –
循環器病研究所(通称「循研」)のキャッチコピーにある「from bench to bedside to population」は、循環器病の成り立ちを解明するための3つの研究アプローチを示します。
基礎研究:実験室(bench)で行う実験に基づく研究
臨床研究:臨床(bedside)データに基づく研究
疫学研究:住民検診(population)データに基づく研究
この言葉はまた、研究(bench)で得られる成果を臨床(bedside)に送り出し、社会(population)に貢献するという循研の目的を示します。研究で得られる成果は科学的知見だけではありません。
循研の主力を担う若者たちは、研究活動(bench)を通じて未知の問題に挑戦し解決する「創造的解決力」を身につけます。彼らが循研から羽ばたき、その力を発揮して臨床(bedside)や社会(population)の様々な問題を解決していくことも循研がめざす成果です。
3つの研究アプローチの中で、基礎研究は特別な設備や装置を備えた建物で行なっており、その建物を狭義の「循環器病研究所」と呼びます。ここでは狭義の循研を中心にご紹介しますが、研究の意義は臨床研究や疫学研究でも同様です。
循環器病研究所は、これまでにない研究の成果と未来ある若者を送り出すことで世の中により多くの幸せを生み出すことをめざす未来志向型組織です。
本ホームページ文責 青木 浩樹(循環器病研究所 教授)